取引先やお客様に「お振込みをお願いします」と伝えるのは、何度経験しても少し気をつかうものです。
お金の話は遠回しにしすぎると伝わらず、ストレートすぎると角が立ちます。この記事では、そのまま使える振込依頼メールの例文を場面別にまとめ、失礼にならない書き方のポイントも整理しました。
- 振込をお願いするメールで必ず書くべき項目と件名の付け方
- 請求書送付・個人のお客様・期日前・入金未確認など場面別の例文
- 振込手数料や口座情報の書き方など、トラブルを防ぐ注意点
筆者お金のお願いは言い出しにくいですよね。でも金額と期日がはっきり書いてあるほうが、相手の経理担当さんは助かるんです。遠慮しすぎず、正確に、を意識しましょう。
振込をお願いするメールで失礼にならない基本ポイント


振込依頼のメールは「丁寧さ」と「分かりやすさ」の両立が大切です。相手は経理部門に回して処理することも多いため、メールだけ見れば手続きできる状態にしておくのが理想です。
件名で「何のお願いか」が分かるようにする
件名は、受信トレイに並んだときに一目で用件が分かるものにします。「ご連絡」「お願い」だけの件名は、ほかのメールに埋もれやすくなります。
- 【請求書送付】〇月分ご利用料金のお振込みについて
- 【ご案内】〇〇(案件名)のお振込み先について
- 【ご確認のお願い】〇月〇日お振込み期日のご案内
【】で用件を先に置くと、相手も社内で転送しやすくなります。
本文には5つの項目を必ず入れる
振込をお願いするメールで抜けてはいけない項目は、次の5つです。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 請求内容 | 〇月分 Webサイト保守費用 |
| 請求金額 | 110,000円(税込) |
| お振込み期日 | 〇月〇日(〇)まで |
| 振込先口座 | 銀行名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義(カナ) |
| 添付書類 | 請求書(PDF)1点 |
特に口座名義はカナ表記まで正確に書いておくと、相手が振込画面で入力するときに迷いません。
お願いの言い方はやわらかく、期日ははっきり
「お振込みください」でも間違いではありませんが、ビジネスメールでは少しやわらかい表現が好まれます。
- お振込みいただけますと幸いです
- お手続きのほど、よろしくお願いいたします
- お振込みくださいますようお願い申し上げます
一方で、期日まで「なるべく早めに」とぼかすのは避けましょう。やわらかい言葉と、具体的な日付はセットで使うのがコツです。



「お手すきの際に」は振込依頼には向きません。相手が後回しにしても仕方ない書き方になってしまうので、期日は日付で書きましょう。
振込をお願いするときのメール例文【場面別】


ここからは、そのまま使える振込依頼メールの例文を紹介します。〇〇の部分を自社の情報に置き換えて使ってください。
請求書を送って振込をお願いするメール例文
もっとも基本となる、請求書を添付して振込をお願いするメールです。



振込先は請求書に書いてあっても、本文にも書いておくのがおすすめです。相手が添付を開かなくても手続きできますからね。
個人のお客様へ振込をお願いするメール例文
個人のお客様には、専門用語を減らし、手続きの流れが分かるように書きます。
「入金確認後に何が起こるか」まで書いておくと、お客様は安心して振込できます。
支払期日が近いときの確認メール例文
期日の数日前に、念のためご案内するメールです。催促ではなく「リマインド」の位置づけなので、さらにやわらかく書きます。
入金が確認できないときの催促メール例文
期日を過ぎても入金が確認できないときは、相手を責めず「確認のお願い」として伝えます。



入金がないとき、実はこちらの請求書が届いていないケースもあるんです。「届いていなければ再送します」と一言添えておくと、相手も返事がしやすくなりますよ。
振込を済ませたことを伝えるメール例文
「振込をお願いされた側」が、支払いを済ませたことを伝えるメールも押さえておきましょう。「お振込みいたしました」「振り込ませていただきました」で迷う方も多い場面です。
「お振込みいたしました」は謙譲語を使った自然な表現です。「振り込ませていただきました」も間違いではありませんが、少し回りくどく感じる人もいるため、ビジネスメールでは「お振込みいたしました」が使いやすいでしょう。
振込依頼メールを書くときの注意点


例文どおりに書いても、細かい部分でつまずくとトラブルにつながります。送信前に次の点を確認しましょう。
金額・口座番号・名義は必ず見直す
振込依頼メールの誤りは、そのまま誤送金につながります。特に間違えやすいのは次の3つです。
- 税込・税抜の表記と、金額の桁
- 口座番号の数字の入れ替わり
- 口座名義の表記(株式会社の略称「カ)」の位置など)
一度送ったメールの訂正は相手の手間も増えるため、送信前に請求書と突き合わせて確認しましょう。
振込手数料の負担を明確にする
振込手数料をどちらが負担するかは、契約や取引条件で決まっているのが一般的です。メールで突然「手数料はご負担ください」と書くより、事前の取り決めに沿って記載するのが基本です。
また、取引の形によっては法律のルールも関わります。2026年1月から下請法は「取適法(中小受託取引適正化法)」に変わり、公正取引委員会は対象となる取引について「合意の有無にかかわらず、振込手数料を中小受託事業者に負担させ、代金から差し引くことは違反になる」と案内しています(出典:公正取引委員会「トリテキ法の確認ポイント―代金編―」)。
発注側として支払う立場になったときは、公正取引委員会の取適法の案内ページで自社が対象になるか確認しておくと安心です。
添付ファイルの付け忘れに注意する
「請求書を添付いたします」と書いたのに添付がない、というミスはとても多いものです。送信前に添付の有無とファイル名(「請求書_〇月分_株式会社〇〇様.pdf」など)を確認しましょう。
催促するときも感情的な表現は避ける
入金が遅れていると焦りますが、「至急」「早急に」を連発したり、「再三お願いしておりますが」と責めたりする書き方は避けます。1回目の確認は「行き違いへの配慮」を必ず添え、事実だけを淡々と伝えるのが基本です。



2回目以降の連絡でも、まずは電話で状況を聞いてみるのがおすすめです。メールだけでやり取りすると、どうしても言葉がきつく受け取られがちなんですよね。
振込をお願いするメールで使える言い換え表現
同じ表現が続くと単調になるため、言い回しのバリエーションを持っておくと便利です。
丁寧にお願いしたいときの表現
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| お振込みいただけますと幸いです | やわらかく、もっとも使いやすい |
| お振込みくださいますようお願い申し上げます | 改まった文書や初回取引向け |
| お手続きのほどよろしくお願いいたします | 「振込」を繰り返したくないとき |
| ご入金のほどよろしくお願いいたします | 受け取る側の立場から書くとき |
期日を伝えるときの表現
- 〇月〇日(〇)までにお振込みいただけますでしょうか
- 恐れ入りますが、〇月末日までにお手続きをお願いいたします
- お支払い期日は〇月〇日となっております
入金確認後の対応を伝える表現
- ご入金を確認でき次第、商品を発送いたします
- ご入金確認後、領収書をお送りいたします
- ご入金を確認いたしましたら、改めてご連絡いたします
振込をお願いするメールに関するよくある質問
振込のお願いは電話とメールどちらがよいですか?
基本はメールがおすすめです。金額や口座番号は記録に残るほうが間違いを防げます。期日を過ぎても連絡がつかない場合は、メールを送ったうえで電話でも確認すると丁寧です。
「お振込み」と「お振り込み」はどちらが正しいですか?
どちらも一般的に使われており、どちらかが間違いということはありません。ビジネスメールでは「お振込み」と書くケースが多く見られます。大切なのは、1通のメールの中で表記を混在させないことです。社内でテンプレートの表記をそろえておくと迷わずに済みます。
請求書を送ったあと、振込先を変更したいときは?
まず電話で変更の事実を伝え、そのうえでメールと修正版の請求書を送るのが安全です。メールだけで振込先の変更を伝えると、なりすましメールと区別がつきにくくなるためです。
まとめ:振込をお願いするメールは「正確さ+やわらかさ」
振込をお願いするメールは、言いにくさから遠回しになりがちですが、相手にとって本当に親切なのは「金額・期日・振込先がひと目で分かるメール」です。
- 件名に【請求書送付】などの用件を入れる
- 請求内容・金額・期日・振込先・添付書類の5項目を必ず書く
- お願いはやわらかく、期日は日付で具体的に
- 催促は「確認のお願い」として、行き違いへの配慮を添える
紹介した例文をベースに、相手や取引の状況に合わせて調整してみてください。



最初の1通をきちんと書いておけば、催促メールを書く場面自体がぐっと減りますよ。

